英独軍トップが異例の共同寄稿──「再軍備は好戦ではない」と国民に訴え

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英独軍トップが異例の共同寄稿──「再軍備は好戦ではない」と国民に訴え

英国の国防参謀長リチャード・ナイトン空軍大将とドイツ連邦軍総監カルステン・ブロイヤー陸軍大将は2026年2月15日、英紙ガーディアンと独紙ディー・ヴェルトに連名の論考を発表し、欧州の再軍備には「道義的な正当性がある」と訴えた。両国の制服組トップによる共同の公開書簡は極めて異例で、ミュンヘン安全保障会議の閉幕直後に発表された。

「ロシアの軍事態勢は西方へ決定的にシフト」

両氏は、ロシアがウクライナでの戦訓を吸収しながらNATO諸国との衝突リスクを高める形で再編を進めていると指摘。欧州が弱さや分裂を見せればロシアは「ウクライナを越えて侵略を拡大しかねない」と警告した。2025年のNATOハーグ首脳会議で合意された「2035年までに国防費GDP比5%」の目標に触れ、冷戦終結以来最大の持続的な防衛費増額がなぜ必要かを国民に説明する義務があると述べている。

再軍備か福祉か揺れる世論

ただし国内世論は追いついていない。英ユーガブの2月調査では、軍事費増のための増税に賛成する国民は25%、歳出削減の容認も24%にとどまる。独仏でもポリティコの調査で、ほかの投資を犠牲にしてまで防衛費を増やすことへの支持は前年より低下した。両氏はこうした現実を踏まえたうえで、防衛は軍人だけの仕事ではなく「社会全体のアプローチ」が必要だと主張。強靱なインフラ、民間による先端技術の研究開発、脅威下でも機能する国家機関の整備を求めた。

英国は弾薬工場6カ所の新設、ドイツは東部への戦闘旅団常駐配置や数千両の装甲車調達を進めており、EUも防衛産業基盤強化に1,500億ユーロを投じる「SAFE」構想を打ち出している。

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