日印実動訓練「ダルマ・ガーディアン25」の実施を発表──対中国境警備の精鋭部隊が参加

日印実動訓練「ダルマ・ガーディアン25」の実施を発表──対中国境警備の精鋭部隊が参加

Title: Japan and India Announce “Dharma Guardian 25” Exercise — India Deploys Elite Border Unit Facing China

Summary: Japan’s Ground Self-Defense Force and India’s Ladakh Scouts — a mountain warfare regiment created after the 1962 Sino-Indian War that patrols the Line of Actual Control with China — will conduct the bilateral exercise “Dharma Guardian 25” in Uttarakhand, India, from February 24 to March 8. Now in its seventh iteration since 2018, the exercise has expanded in scale each year. The participation of an Indian unit dedicated to countering China carries strategic significance beyond the stated counterterrorism framework, especially amid heightened Sino-Japanese tensions following Prime Minister Takaichi’s remarks on a Taiwan contingency and China’s “Justice Mission 2025” encirclement drills.


陸上幕僚監部は2月2日、令和7年度の日印実動訓練「ダルマ・ガーディアン25」を2月24日から3月8日までインドのチャウバティア演習場(ウッタラカンド州)で実施すると発表した。陸自側は東部方面隊(第1師団)が、インド側は北部コマンド隷下の第14ラダックスカウト連隊隷下大隊がそれぞれ参加し、対テロ戦に係る戦術技量の向上と相互信頼の促進を図る。

今回特筆すべきはインド側の参加部隊だ。

ラダックスカウトは1962年の中印戦争を契機に創設された山岳戦専門連隊で、「スノー・ウォリアーズ」の異名を持つ。主にラダック系・チベット系の兵士で構成され、実効支配線(LAC)沿いの中国との国境地帯で偵察・哨戒を主任務とするインド陸軍屈指の精鋭部隊である。1999年のカルギル紛争では最初に投入された部隊の一つであり、300を超える武功章を受章してきた。

こうした対中最前線の部隊が日本との訓練に参加すること自体が、対テロの枠組みを超えた戦略的意味合いを帯びている。

拡大を続ける共同訓練の歩み

ダルマ・ガーディアンは2018年、安倍政権が掲げた「自由で開かれたインド太平洋」戦略を背景にインド北東部ミゾラム州で第1回が実施された。以降、日印交互に開催地を移しながら毎年行われており、今回で7回目となる。

2020年はコロナ禍で中止されたものの、2023年に初めて日本国内(滋賀県饗庭野演習場)で開催され、2025年の第6回は東富士演習場で初の中隊規模に拡大。国連PKO想定の人道支援・災害救援(HADR)訓練も加わり、内容は年々複雑化している。陸自にとって対テロ分野で米英以外の国と実動訓練を行う数少ない機会であり、インド軍の山岳戦・ジャングル戦の知見に触れる貴重な場でもある。

中国はこれまで日印間の軍事演習に対し、外交部報道官が「地域の安全保障上の相互信頼を強化する行動をとるべきだ」と牽制し、国防部も「関係国の軍事協力は第三国を標的とすべきでない」と繰り返してきた。官製メディア『環球時報』は「日印は米国のインド太平洋戦略に引き込まれている」との専門家の見解を掲載している。

とりわけ2025年11月の高市首相による台湾有事発言以降、日中関係は急速に悪化し、12月末には「正義使命2025」と称する台湾包囲演習が実施されるなど軍事的緊張が高まった。こうした状況下で、対中国境部隊であるラダックスカウトが日本との演習に参加する今回の訓練は、中国にとって日印両国による安全保障面での連携深化を改めて突きつけるものとなる。

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