府の経済安全保障法制に関する有識者会議は1月16日、経済安全保障推進法の改正に向けた提言の骨子案をまとめた。経済安保上、重要な海外事業を展開する企業を支援するため、国際協力銀行(JBIC)の活用を柱に据える。出融資を通じて同志国と協力し、重要物資のサプライチェーン構築を後押しする狙いだ。
提言は情報通信、宇宙、サイバーセキュリティ、医療・健康といった重要分野を念頭に、日本企業の海外事業展開を支援する新たな体制の構築を求めている。 現行のサプライチェーン強靭化措置は「物資」の供給確保に着目した枠組みで、これまでの支援実績はほとんどが国内向けだった。昨今の国際環境の激変を受け、グローバル・サウス諸国などとの協働を通じた海外展開支援へと軸足を広げる。
基幹インフラの保護対象分野には新たに「医療」が加わる。医療DXの推進や医療機関へのサイバー攻撃が増加していることを踏まえ、社会保険診療報酬支払基金が行う医療DX関連業務と、高度な医療提供能力を持つ医療機関の業務を対象に追加する。
さらに、重要物資の供給に不可欠な「役務」の確保も支援対象に位置づける。具体的には光海底ケーブルの敷設や人工衛星の打ち上げなどを想定している。 有識者会議では「光海底ケーブルという好事例が出てきた。そのサプライチェーンを維持するための役務を支援対象にすることで、政策が融合していく段階に入った」との意見が出された。
政府は今後、提言を正式にまとめた上で、通常国会に経済安保法の改正案を提出する方針だ。

