フランス教授にスパイ疑惑——中国代表団を機密区域に案内

フランス教授にスパイ疑惑——中国代表団を機密区域に案内

フランス・パリ検察庁は1月14日、ボルドー大学工学系研究所の応用数学教授が中国代表団を機密区域に案内した疑いでスパイ関連の罪で起訴されたと発表した。AFP通信が検察への取材を実施し、複数メディアが1月15日に報じた。

教授は昨年12月16日に起訴され、司法管理下で釈放。起訴内容は「外国勢力への情報提供」(最高懲役15年)、「外国勢力との共謀」(最高懲役10年)、「国防施設侵入幇助」(最高懲役6カ月)と複数に及ぶ。

パリ検察によれば、「極めて高い機密性が指摘されていた制限区域に中国代表団メンバーを立ち入らせた疑い」がある。教授が勤務するボルドー機械工学研究所(I2M)は、2019年に一部が制限区域指定されていた。

捜査は2024年1月、国防・国家安全保障事務局の報告を受け開始。2025年2月に複数の関係者が身柄拘束され、押収資料分析を経て教授が起訴された。

情報誌「インテリジェンス・オンライン」によると、教授は64歳の著名な応用数学専門家で、学生時代から中国研究者と共同研究を継続。2010年代後半からは毎年2カ月間、中国の厦門大学で研究活動を行っていた。また航空宇宙防衛企業MBDAの子会社ロクセル社と提携したプロジェクトにも関与していたという。

一方、AFP通信の特徴的な取材活動も注目される。同通信は教授の弁護士に取材を試みたが「捜査中」として回答を得られなかった。さらにAFP記者は1月15日の中国外務省定例会見でこの事件を質問。毛寧報道官は「中国スパイという言説を煽ることに反対する」と述べた。

フランスの高等教育労組はAFPに「容疑の重大さに驚いている。教授は国際協力を奨励されている」とコメント。フランスでは中国の技術情報収集への警戒が高まっている。

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