米FCC、外国製ドローン全面禁止——国防権限法に基づき安全保障リスクと判断、日本製も対象に

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米FCC、外国製ドローン全面禁止——国防権限法に基づき安全保障リスクと判断、日本製も対象に

米連邦通信委員会(FCC)は2025年12月22日、2025会計年度国防権限法第1709条に基づき、外国製ドローンと重要部品を「カバードリスト」に追加し、新製品の輸入・販売を禁止すると発表した。このリストは国家安全保障に脅威をもたらす通信機器を列挙するもので、今回の措置により中国製のみならず日本製を含むすべての外国製ドローンが対象となる。

FCCが公表した2つのレポートによれば、トランプ大統領が同年6月に署名した「米国の空域主権回復」及び「米国ドローン支配力解放」に関する大統領令と、11月に公表された国家安全保障戦略に基づく措置である。ホワイトハウスが招集した国家安全保障専門家による省庁間機関は、外国製ドローンが「米国の国家安全保障および米国民の安全に容認できないリスクをもたらす」と判定した。

規制対象はドローン本体に加え、データ送信装置、通信システム、飛行制御装置、地上管制局、航法システム、バッテリー、モーターなど重要部品を含む。国防総省または国土安全保障省が特定のドローンや部品がリスクをもたらさないと判定した場合のみ例外が認められる。

判定書は、2026年FIFAワールドカップ、米国建国250周年記念、2028年ロサンゼルス五輪など大規模イベント開催を控え、外国製ドローンが「持続的監視、データ流出、破壊的作戦」に利用されるリスクがあると指摘。特定国の法制度下では、企業が米国上空でのリアルタイムデータ提供を強制されたり、リモートによるソフトウェア更新で機体の動作を変更させられたりする可能性があると警告している。

今回の措置は、世界ドローン市場の75%を占める中国DJIに大きな打撃を与える。米国の法執行・緊急対応機関の80%以上がDJI製品を使用しており、米国製ドローンは価格が約4倍高く性能は半分程度とされる。DJIは「失望している。評価根拠が公表されていない」と批判し、中国駐米大使館は「国家安全保障の概念を過度に拡大している」として報復措置を示唆した。

日本への影響

FCCの決定には日本製ドローンも規制対象に含まれることが確認された。ただし既に米国市場で販売されている機種は対象外で、消費者は既存のドローンを引き続き使用できる。

日本国内では、政府機関や地方自治体が中国製ドローンの使用見直しを進めており、2020年のファーウェイ・ZTE製通信機器の公的機関利用禁止に続き、2024年以降は防衛・警察・消防用途でのドローン調達基準を厳格化している。東京都、大阪府、福岡県などでは公的業務用ドローンの選定で国内メーカー優先の動きがある。

一方、日本のドローン産業には課題も多い。価格競争力や技術力で中国製に劣り、大量生産体制も未整備だが、今回の米国の措置は安全保障上のリスクがない日本製ドローンの需要拡大につながる可能性がある。インドやオーストラリアでも同様の規制強化が検討されており、国際的な中国製ドローン排除の動きが加速している。

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