中国人民解放軍の機関紙「解放軍報」は10月15日、「戦備常態化+システム訓練:海軍の遠洋訓練は新たなステージへ」と題する論説記事を掲載した。空母の遠洋進出を契機として、中国海軍が遠洋での訓練を常態化させ、その能力を新たな段階へ引き上げつつあることをアピールしている。
記事は、中国海軍の遠洋訓練は「戦備常態化+システム訓練」の新たなモデルへ移行したとする。空母をハブとした空中・水上・水中兵力を統合運用し、訓練頻度と進出範囲を拡大することで、常態化された戦備実戦能力を構築しているという。
特に2025年6月の空母「遼寧」及び「山東」による大規模訓練は、海軍の遠洋訓練における多大な成果として強調されている。同訓練には数十隻の艦艇と延べ数百機の航空機が参加し、規模・進出距離・訓練難易度において新記録を打ち立てたと評価する。
このような遠洋訓練は、年度の重点訓練科目に位置づけられ、司令部が兵力・スケジュール・海域・資源を一括管理する態勢になっている。
これまで中国海軍の戦略は、A2/AD(接近阻止・領域拒否)戦略に象徴される「近海防御」が主とされてきたと考えられるが、今回の記事からは遠洋訓練の状態化が読み取れる。
加えて、「空母をハブとして海軍の遠洋訓練が加速化した」という指摘は、近日中の就役が見込まれる空母3番艦「福建」を見すえて、空母を中心とした運用が一定段階に到達したことをアピールする目的があると考えられる。

