米FBI、対中防諜を再強化──スパイ容疑の逮捕件数が40%増

米FBI、対中防諜を再強化──スパイ容疑の逮捕件数が40%増

Title: FBI Director Patel Declares Renewed Counterintelligence Offensive Against China, Reports 40% Surge in Espionage Arrests

Summary: FBI Director Kash Patel announced a reinvigorated counterintelligence campaign against China, citing a 40% increase in Chinese espionage arrests during 2025. Cases range from a Navy sailor convicted of selling ship manuals to Chinese intelligence to smuggling of biological pathogens by university researchers. However, former FBI officials have raised concerns that reassigning nearly a quarter of agents to immigration enforcement may be undermining the bureau’s spy-hunting capabilities.


米連邦捜査局(FBI)のカシュ・パテル長官は2月7日、米メディア「Just the News」のインタビューで、中国共産党に対する防諜活動を最優先課題に据え直したと表明した。パテル長官によると、トランプ政権2期目の初年にあたる2025年の1年間で、中国関連のスパイ容疑による逮捕件数は前年比約40%増加した。

パテル長官はバイデン前政権が2022年に廃止した「チャイナ・イニシアティブ」──学術界を含む中国の諜報活動を摘発するFBIの主要プログラム──の事実上の復活を宣言し、廃止は「国家安全保障を損なう意図的な誤判断だった」と批判した。

浮かび上がる多様な工作手法

FBIが2025年9月の上院証言で明らかにしたところでは、全米55の現地事務所すべてで中国関連の防諜捜査が進行中であり、同年1月以降だけで59人の外国情報工作員を逮捕している。パテル長官は10月の記者会見では中国関連の逮捕を「50%以上の増加」と述べており、年間を通じて摘発が加速したことがうかがえる。

摘発事例は広範にわたる。2025年8月には元海軍兵士ジンチャオ・ウェイがスパイ罪など6つの罪で有罪評決を受け、2026年1月に禁錮約16年8か月の判決が下された。ウェイはSNSを通じて中国の情報機関員に接触され、強襲揚陸艦エセックスの技術マニュアル約60冊や艦艇の写真・動画を提供し、約1万2,000ドルの報酬を受け取っていた。

司法省によれば、情報機関員は「造船会社の軍事愛好家」を装って接近し、暗号化アプリやパスワード付きのウェブサイトを使った「バーチャル・デッドドロップ」で秘密情報を受け渡ししていた。このほか、陸軍現役兵を買収して機密データを取得しようとした事案や、ミシガン大学の中国人研究者3人が農業テロ兵器に分類される病原菌を密輸した事件なども摘発されている。

一方、FBIの防諜体制をめぐっては、捜査官の約23%が移民取締に配置転換されたとの報道もあり、元FBI幹部からは実効性を疑問視する声も上がっている。逮捕件数の増加がパテル就任前から継続中の捜査に依拠しているとの指摘もあり、防諜能力の実態は今後の検証を要する。

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