Title: NIDS Analyzes Impact of China’s Top Military Purges — Warns of Hollowed-Out Military Judgment and Crisis Management
Summary: Japan’s National Institute for Defense Studies published a commentary analyzing the structural impact of purges targeting China’s highest military leaders. The dismissal of CMC Vice Chairman Zhang Youxia and Joint Staff Department Chief Liu Zhenli — the last generation with combat experience from the 1979 Sino-Vietnamese War — has eliminated voices of caution based on battlefield experience. NIDS warns that a leadership dominated by officers with no combat experience may lower psychological barriers to military action.
防衛省防衛研究所は2月3日、中国人民解放軍の最高幹部粛清がもたらす構造的影響を分析したコメンタリーを公表した。五十嵐隆幸地域研究部中国研究室専門研究員がまとめた。
2026年1月24日、中国国防部は張又俠・中央軍事委員会副主席と劉振立・連合参謀部参謀長について、重大な紀律・法律違反の疑いで立件・調査すると発表した。これにより、2022年に7人体制で発足した中央軍事委員会は習近平主席と張昇民副主席の2人のみとなり、1949年の建国以来初めて党中央政治局から軍人が不在となった。
コメンタリーは、胡錦濤時代に進んだ軍人事の「制度化」が、習近平政権下で個人の「選好」と「抜擢」に置き換えられてきた過程を整理した。福建省の部隊経験者が「福建閥」として重用される一方、3期目以降は習近平自身が選抜した幹部が相次いで摘発されており、幼馴染とされる張又俠もその例外ではなかったと指摘する。
最も注目すべき論点として、張又俠と劉振立が1979年の中越戦争を経験した最後の世代であった点を挙げる。戦争の損耗や混乱を実体験として知る彼らは、軍事行動に伴う不確実性を踏まえた慎重な判断を行い得る存在だった。両名の同時失脚により、中央軍事委員会から軍事的判断に対して異論や慎重論を提示し得る層がほぼ消滅したと分析する。
唯一残った張昇民副主席は政治将校としてのキャリアが中心で、軍事作戦のリスクを現場感覚で補正する役割には限界があるとした。コメンタリーは、習近平が短期的な作戦遂行能力の低下を容認してでも軍の完全統制を選択した可能性を示唆する一方、実戦未経験の世代が中枢を占めることで戦争に対する慎重さが希薄化し、軍事行動への心理的ハードルが下がるリスクを警告している。

