ロシア軍がスターリンク搭載ドローンで攻撃拡大──ウクライナは「ホワイトリスト」で対抗

ロシア軍がスターリンク搭載ドローンで攻撃拡大──ウクライナは「ホワイトリスト」で対抗

Title: Russia Expands Starlink-Equipped Drone Attacks on Ukraine — Kyiv Responds with Terminal Whitelist System

Summary: Russia has been mounting Starlink satellite terminals on its attack drones, neutralizing Ukraine’s electronic warfare defenses and enabling real-time piloting from inside Russia. The issue drew international attention after a Shahed drone strike killed five passengers on a civilian train in Kharkiv Oblast on January 27. Ukraine’s Defense Ministry worked with SpaceX to implement countermeasures and introduced a whitelist system on February 3, requiring all Starlink terminals in Ukraine to be registered — unverified devices will be disconnected from the network.


ロシア軍が米スペースX社の衛星インターネット「スターリンク(Starlink)」の端末を攻撃用無人機に搭載し、ウクライナへの攻撃を拡大させている。ウクライナ国防省とスペースXは初期対策を講じ、2月2日までに「実質的な成果」が出たと発表。ウクライナ政府は2月3日から国内の全スターリンク端末を登録制にする「ホワイトリスト」制度を導入した。

電子戦を無力化する「安価な脅威」

スターリンク搭載の無人機は、ウクライナ軍の電子戦(ジャミング)を無効化し、ロシア国内からリアルタイムで操縦できる。

250~500ドルのスターリンク・ミニ端末を取り付けるだけで命中精度が飛躍的に向上するため、数万ドルの精密誘導兵器に匹敵する効果を安価に得られる点が脅威の本質である。ウクライナ国防相顧問のベスクレストノフ氏は、搭載型無人機による攻撃が「数百件」に上ると明らかにした。

搭載が確認された機種はシャヘド型、戦術FPV無人機モルニヤ、徘徊弾BM-35と多岐にわたる。米シンクタンク「戦争研究所(ISW)」は、スターリンク搭載BM-35の航続距離が最大500キロメートルに達し、ウクライナのほぼ全域やモルドバ全土、さらにポーランドやルーマニアの一部も射程に入ると分析している。

旅客列車攻撃を契機にホワイトリスト導入

問題が国際的注目を集める転機となったのは、1月27日(火)にハルキウ州で発生した旅客列車攻撃だ。乗客291名を乗せた列車がシャヘド型無人機3機に襲われ、少なくとも5名が死亡した。走行中の列車の中央を正確に命中させた手口から、スターリンクによるリアルタイム誘導が使われた可能性が指摘されている。ゼレンスキー大統領はこれを「純粋なテロ行為」と非難した。

事件を受け、フェドロフ国防相は数時間以内にスペースXと協議を開始。イーロン・マスクCEOは不正利用対策が「功を奏した」と述べた。

ウクライナ政府が導入したホワイトリスト制度では、民間・企業・軍がそれぞれ端末を登録し、未認証端末はネットワークから切断される。ただし、ロシアが中東や中央アジア経由の並行輸入で端末を調達し、ウクライナ国外のアカウントで有効化している実態を踏まえると、ホワイトリストだけで問題が解消するかは不透明である。

ウクライナにとってスターリンクは軍の通信基盤そのものであり、敵の不正利用を排除しつつ自国の運用を維持するという困難な課題が続く。

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